2025年1月26日日曜日

どうしてワクワクする?

  演奏会を聴きにいってきました。ミューザ川崎でサントゥ・マティアス・ロウヴァリ指揮、フィルハーモニアの公演、三浦文彰ショスタコーヴィッチのヴァイオリンコンツェルト1番、辻井伸行チャイコフスキーのピアノコンツェルト、そしてシベリウス交響曲5番でした。

 とっても盛りだくさんでしたが、最初のショスタコーヴィッチが一番印象に残っています。MaSoniはいつの頃からかショスタコーヴィッチがなぜがお気に入りです。気が狂いそうな曲しかないのになぜだろうとずっと思っていましたが、今回の公演でそれがよくわかりました。

 それは、楽しいからです。気が狂いそうな不協和音の連続なのに聴いているとワクワクしちゃうんです。まずは第1楽章でいきなりスローなバイオリンを中心とした静かな狂気がホールを支配します。第2楽章に入ると徐々に賑やかになり、やがて来るぞ来るぞと思っていると(曲を知っているからかもしれませんが)予想通り狂気が爆発しますが、そのテンポの良さがノリの良さになってなぜか心地いいのです。第3楽章は途中から長いカデンツァになりバイオリンの技巧と静かに荒れている狂気が走り始め第4楽章につながってテンポ良く爆発して曲が終わる。気がつくと心地よくない不協和音なのにオーケストラあちこちからはじけてくるリズム感に心だけでなく身体もワクワクしてしまっている自分に気づいています。終わった直後の感想は「あー楽しかった」でした。KohNoもAKも楽しかったと言っていました。特にAKはCDで聴いているとすごく嫌がるのに今回は超楽しそうです。後で同じ曲をCDで聴いてみましたがあのノリはありません。ショスタコーヴィッチの曲はホールで生で聴かないといけないのかもしれません。

 思えばフィラデルフィアで友人に誘われていった初めてホールに聴きにいった曲もショスタコーヴィッチのバイオリンコンツェルト1番でした。あの時はただ曲に圧倒されていましたが、もしかするとその時にショスタコーヴィッチが脳裏にすり込まれたのかも。


2025年1月16日木曜日

5人

  なんとなく面白い映画をやっていないかな、と映画館のスケジュールを見ていたらJAWSがIMAXで上映されています。何で今頃?とおもいつつネットで調べたらスティーブン・スピルバーグIMAX祭でJAWS、E.T.、ジュラシック・パークを上映するそうでまずは第一弾としてJAWSが上映されていたのです。

 早速、グランベリーに行って観てきました。迫力の大画面で観るJAWSはスクリーンに引き込まれグイグイと迫ってきます。当初グロいシーンは最低限ながら徐々に観客の想像力をかき立て恐怖心をとことん煽って、後半は一気に特撮のサメの口がスクリーンに広がり恐怖心マックスの見事さです。今ではCGでもっとリアルっぽいシーンでさらに怖くすることが出来るかもしれませんが、特撮時代ならではの見せないで観客の想像力を最大限利用する構成が逆にCG時代にはない怖さを演出しています。さらにジョン・ウィリアムズの有名な音楽も一役買って観る人は最高のスリルを味わうことが出来ます。一緒に連れて行かれたAKは恐怖で心臓が2回ほど止まっていました。

 50年ほど前の公開時はまだ小学生だったので映画館には行かずTVでしか観たことは無かったので、観に行って良かったと心底思いました。2200円は一般的には安くはありませんが、十分満足です。

 残念なのが観客の少なさ。平日朝とは言え名作のIMAX化、しかも期間限定公開なのにたったの5人。もったいない。

 それからロバート・ショウがいい味出してたのも良かった。ちょうど数日前にDVDでスティングを観たばかり、さらに数ヶ月前には007ロシアより愛を込めてを観たばかりで、「おお、ここにもいたか」という感じでした。彼はJAWS公開の3年後に急死したそうです。実に存在感のある名優です。